【ナラ枯れ】全国で被害拡大!トトロの森でも深刻な問題となっている”木の病気”

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ナラ枯れ自然・環境
とみー
とみー

こんにちはとみーです!

先日、ショッキングなニュースを耳にしました。

トトロの森で今、「ナラ枯れ」という木の病気が大発生しているというものです。

事態はかなり深刻で、施設内の「ナラノキ」の多くが枯れてしまっているのです。

僕はジブリの大ファンであり、ナラノキも大好きな木です。

かなり辛い気持ちになりました。

今回はナラ枯れについて皆さんに知っていただきたいのと、僕たちにできることをご紹介したいと思います!

今回の記事でお話しすること
  • 「ナラ枯れ」とはどのような病気なのか
  • 皆さんにできること(僕からのお願いでもあります)

是非とも最後までお付き合いいただければ幸いです!

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ナラ枯れ

ナラ枯れとはどんな病気?

ナラ枯れの木
ナラ枯れ被害を受けたナラ。茶色く枯れてしまっている。

まずはナラ枯れについて解説します。

ナラ枯れとは

ナラ枯れとは、ナラ・シイ・カシなどのブナ科の木(ドングリの木)が枯れてしまう森林被害です。

森林病害虫であるカシノナガキクイムシが病原菌である「ナラ菌」を増殖させることで、水の吸い上げる機能を阻害して枯死させる樹木の伝染病です。

とみー
とみー

ナラ枯れの正式名称は「ブナ科樹木萎凋病」と言います。

枯れてしまう原因としては、「ラファエレア菌(通称:ナラ菌)」という病原菌の蔓延です。

この病原菌は「カシノナガキクイムシ」という昆虫のメスが持ってきてしまうもので、健全な木に侵入することで木が感染してしまうのです。

ナラ菌が感染した部分の細胞が死ぬと水分を運ぶ道管が目詰まりを起こすため、通水障害を起こし7月下旬頃から8月中旬にかけて葉が変色し、枯死します。

カシノナガキクイムシって?

カシノナガキクイムシ
カシノナガキクイムシ

カシノナガキクイムシは、体長 4.3mm~4.7mmのとても小さな虫です。

ナラやカシ、シイなどブナ科樹木(どんぐりの木)の中でナラ菌を増やし、その菌を食べて、一生を過ごします。

ナラ枯れの特徴

ナラ枯れの特徴は以下の点があげられます!

ナラ枯れの特徴
  • 木の根元にフラス(木屑)が落ちている。
  • 幹に直径約1~2mmの穴がたくさん空いている。
  • 梅雨明け後から晩夏に急に枯れる。
  • 葉が赤褐色や茶色に変色し、落葉しない。
カシノナガキクイムシが穿入する際に排出した木くず(フラス)
出典:(独)森林総合研究所パンフレット

被害にあった木の根元付近には、カシノナガキクイムシが穿入した孔と、穿入する際に排出した木くずが大量に確認できます。

どのような対策があるのか

対策としては大きく分けて2つ。

  1. 予防対策:ナラが枯れないように、被害に備える
  2. 駆除対策:枯損木内に潜伏しているカシノナガキクイムシを殺虫して、他へ飛び移らないようにする

まず予防対策については以下の方法があります。

予防対策
  • 樹幹注入:殺菌剤を幹に注入して、ナラ菌を防除する
  • 樹幹被覆:合成樹脂製のシートやフィルムで幹を覆い、虫の穿孔を防ぐ
  • 樹幹塗布剤:粘着剤、殺虫剤等を幹にコーティングし、虫の穿孔を防ぐ
  • 被害にあう前に伐採・利用する方法

駆除対策については以下の方法があります。

駆除対策
  • 伐倒くん蒸:枯損木を伐倒集積し、くん蒸薬剤を集積した材に散布してビニール被覆を行う
  • 立木くん蒸:枯損木を伐倒せず、そのままの状態で幹に穴を開け薬剤を入れて虫を殺虫する
  • 焼却・チップ:焼却又は枯損木を10ミリメートル程度の厚さに粉砕する
  • フェロモン剤使用のおとり丸太トラップ
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抜本的な解撤策は『萌芽更新』

萌芽更新

抜本的な解決策の一つとして「萌芽更新」があります。

萌芽更新とは

樹木の伐採後、残された根株から吹き出る新芽の生育を期待して、森林の再生を図る方法。

老齢木を枯らすナラ枯れ。

考えられる抜本的な解決策は森の若返り、つまり萌芽更新というわけです。

コナラは萌芽の能力が非常に高く、伐採すると切株から芽が吹き出てきます。

この芽は実生よりも早く成長する特徴を持っています。

この性質を利用し、萌芽を育てることで森を若返らせていこうとする活動がトトロの森でなされています。

しかし、ナラ枯れの大木の伐採に膨大な労力と費用が掛かってしまい、萌芽更新の維持管理ができているのはほんの一画でしかないというのが現状のようです。

ナラ枯れは全国で深刻な問題となっている

前項でナラ枯れへの対応策についてお話しましたが、やはりナラ枯れは全国的に見て年々被害が拡大しており、深刻な状況に変わりありません。

令和3年度の全国のナラ枯れ被害量は、材積量にして約15.3万立方メートルとなっています。

予防対策や駆除対策を講じても終息できないのが現状です。

全国のナラ枯れ被害量の推移
出典:林野庁

僕たちにできること(お願い)

1.被害木を見かけたら行政に連絡しましょう!

まず僕らにできることとして、被害木を発見したら行政に知らせるということあげられます

再度ですが、ナラ枯れの被害にあっている木の特徴としては以下の点があげられます。

ナラ枯れの特徴
  • 木の根元にフラス(木屑)が落ちている。
  • 幹に直径約1~2mmの穴がたくさん空いている。
  • 梅雨明け後から晩夏に急に枯れる。
  • 葉が赤褐色や茶色に変色し、落葉しない。

これらの状況が確認される木を発見しましたら、所定の機関に連絡をしましょう

各都道府県で異なるのですが、群馬県の場合は以下の機関に問い合わせるようにとのことです。

群馬県が指示する連絡先
  • 近くの環境森林事務所
  • 森林事務所
  • 県庁林政課
  • 林業試験場
とみー
とみー

各都道府県のホームページにて対応方法・連絡先の確認をしてください!

2.募金支援

他にも僕たちにできることとしては、募金支援があります!

ちなみに僕も冒頭でお話ししたトトロの森のニュースを聞いて、公益財団法人 トトロのふるさと基金に寄付しました。

他にもナラ枯れ対策の寄付金を募る公益財団法人があります。

よろしければ検討してみてください!

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結びの言葉

ならのき
ミズナラの紅葉

ブナ科の木と言えばドングリ。

小さいころ、公園でドングリが落ちていて、それをせっせと拾い集めて遊んでいました。

大人になって、山や自然が好きになって、木そのものが好きになりました。

そんな木が今、全国で深刻な被害を受けていると聞き、ちょっとソワソワして、今回の記事を書きました(^^;)

このようなことが起こっている現状を、少しでも知っていただけたら幸いです!

とみー

【参考サイト】

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