どうも!とみーです!
今回のテーマは
「林業ではなぜ真夏の時期に下刈り作業をするのか」
についてです。
僕たち林業マンはこの夏の時期から、刈払い機を使って植えた苗木の周りに生える雑草をひたすら刈るという『下刈り作業』を行います。
なぜわざわざこの地獄の暑さの時期にするのか?
その理由を知らない方が多いと思い、お話ししたくなりました。
そしてもう1つ、
本当に過酷な作業の先にあるやりがい
というものを伝えたいと思いました。
今回の記事で皆さんに少しでも真夏の下刈りの意義を知っていただければと思います!
僕らは今、猛暑と戦っています!
下刈りとは
改めて「下刈り」とは、植えた苗木が健やかに育つように、周りに生えた雑草や雑木を除去する作業のことを言います。
もし除去しないでそのままにしてしまいますと、
- 苗木は雑草に覆われて風通しが悪くなって蒸れてしまう
- 土の養分を取られて苗木がよく育たたなくなる
など苗木の生育に障害をきたします。
苗木の生育を妨げるものを排除する!それが下刈りをする意味ですね。
厄介者の「つる」
雑草のほかにも厄介なのが「つる」です。
つるは苗木にまきつきます。
そのまま放置しておくと
- 幹を締め付け苗木がまっすぐに生育できなくなる
- 日が当たらなくなり、枯れてしまう
などの事態を招きます。
僕らはつるに関してはかなり注視して作業をしています。
これも下刈りの中で重要なポイントです。
僕は「つるを見ると切りたくて仕方なくなる」という職業病に絶賛なっています!
下刈りの期間・回数・季節
ここからは下刈りの期間・回数・季節について簡単にお話しします。
まず下刈りの期間は
土壌条件のよい場所ではスギやヒノキで下刈り期間は5年ぐらいです。
5年も経つと背も高くなり幹もしっかりとするため、雑草の影響を受けにくくなります。
回数は
2、3年目または2~4年目は年に2回の下刈りが必要となります。
下刈り季節は
年1回の場合は7月下旬から8月上旬にかけて、
年2回の場合は6月下旬から7月上旬にかけてと8月中旬です。
なぜ真夏のこの時期にやるのか
ここが僕の一番伝えたいところなのです。
なぜこの真夏の厳しい時期に下刈り作業をするのかと言うと、
夏は雑草や雑木がずっとため込んでいた養分を使い切って成長し、また次の年に成長するための養分を蓄える時期なのです。
この時期に雑草を除去することで、
草刈り後しばらくの間再生することなく、雑草を除去することができます。
この時期を逃してしまうと、
根っこに蓄えられた養分を使われ、再び雑草が生えてきてしまうんです。
だからこの時期に下刈りするんです。非常に暑いんですがね。
きつい仕事だけど、モチベーションを維持する方法
真夏の炎天下の中、ひたすらに刈払い機を振って雑草を除去する作業は本当にきついです。
日影はないし、風も吹かないこともある。
苗木を切らないように気を使うため、集中力の維持も重要。
水分や燃料も腰袋に入れて、虫やイバラ(トゲトゲした植物)から身を守るため基本的には服装は長袖。
雨が降ればむしむし。
体への負担はなかなかあります。
正直午後の16時くらいは精神も肉体もヘトヘトになっています。
(業務終了間際は本当に事故が多いので気を付けましょう!)
そんなきつい仕事でもどのようにしてモチベーションを維持するのか?
僕の中では2つあります。
まず1つは
休憩を多めに小刻みにとること。
やはりぶっ続けは体にも精神的にもきついです。
ただでさえ劣悪な環境下なので、体が悲鳴を上げる前に休憩を取ることが大切です。
そして2つ目は
後ろを振り返ることです!(笑)
苦労して刈った跡が、きれいに姿を見せてくれた苗木がモチベーションを上げてくれるんです。
精神論かもしれませんが、これは僕の中でかなり大事にしていることなので。
自分のやったところの仕上がりがきれいだとだいぶ気分がよくなりますね(^^♪
結びの言葉
下刈り作業はまさに苗木を育てる作業だと思います。
だからこそ手を抜いてはいけません。
1年で一番過酷な作業かもしれませんが、その分来年大きくなっている苗木を見ると林業マンとして価値を提供できているんだと感じます。
手にかけたものというのはどんなものでも尊く感じます。
そんな気持ちにさせてくれるのが林業だと思います。
僕は自分が携わった木が切られて、建物や付加価値の付いたものに姿を変えるところまで見届けたい!
それまでずっと育てていきたい!
以上参考になればうれしいです。
今回もどうもありがとうございました!
とみー
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