今年は本当に暖冬なのか?寒いぞ!とみーです!
さて今回は、『特殊伐採』についてのお話をしていきたいと思います!
特殊伐採は近年よく聞かれるようになった言葉で、生業にしている個人の方・事業体も増えているかと思います。
なぜ増えているかというと、日本各地で抱えている潜在需要の高まりが関係しているようです。
今回は、特殊伐採の方法、必要経費(費用)、日本の潜在需要の背景、必要な資格について解説していきたいと思います。
特殊伐採に興味がある方のご参考になれば幸いです。
特殊伐採とは
『特殊伐採』をざっくり説明すると、通常のやり方では伐採できない木を、倒すのではなく、解体していくように上から切り落としていく作業です。
特殊伐採には大きく分けて2つ方法があります。
- クレーン作業での伐採
- アーボリスト・ツリーワーカーによる伐採
順番に見ていきましょう。
クレーン作業での伐採
まずはクレーン車を使用した特殊伐採について。
伐採する幹や枝に事前にスリングなどを巻き付け、建設用クレーン車から伸ばしたワイヤーのフックを玉掛けし、伐った後に木をクレーンで吊り上げながら安全な場所まで移動させて地面に降ろしていくというものです。
特殊伐採は各地の森林組合や林業事業体などが手掛けていることが多く、クレーン作業を専門とする会社からオペレーターとクレーン車を現場に派遣してもらって作業するのが一般的です。
(僕が以前所属していた林業事業体でもクレーン車を手配して行ったことがあります)
アーボリスト・ツリーワーカーによる伐採
ロープや滑車といったさまざまな専用の道具を駆使し(ツリークライミングの技術)、木に登って伐採する方法です。
この方法を行う作業者は「アーボリスト」や「ツリーワーカー」などと呼ばれています。
作業者が木の上に登り、幹や枝にロープや滑車をセット、伐採後は別の作業者が地上でロープの動きを制御しながら幹や枝を安全に地面まで降ろしていきます。
(特殊伐採と言えばこのスタイルを思い浮かべる方も多いと思います)
クレーン車や重機が入れない場所、危険木や支障木などに対して行い、太枝の枝下ろしなどを安全に行えるのが特徴です。
高まる”潜在需要”
今日本ではこの特殊伐採を必要とする樹木が増えているようです。
その背景には、
- 屋敷林や神社仏閣、別荘地周りなどに生えている木が高木化・老齢化
- 都心部の公園や緑地帯の木、街路樹の高木化
- 近年の異常気象増加に伴う、台風の大型化や記録的豪雨に対する自治体や地域住民の懸念
など全国各地で散見さている状況が関係しています。
各地域で増えるの空き家問題(その敷地に生えている樹木)、地球温暖化による樹木の成長加速などの社会問題がこの特殊伐採の対象木を増やす要因と関係していたんですね。
料金(費用)について
特殊伐採の料金は大体の場合が『出張費』『作業費』『諸経費』といった項目の合算で提示することが多いです。
以下、一例を記載いたします。
- 低木 3m未満 5,000円~/本
- 中木 3~5m 10,000円~/本
- 高木 5m以上 25,000円~/本
※
※あくまで一例であり、業者により異なります。
周りに倒すスペースがあるかどうか、スペースが全くない場合や電線に枝が絡んでいるなど、状況によって価格は変化していき、それらを見極めて料金を決めていきます。
無論、作業が困難な場合は報酬は高く設定されます。
また重機の持ち込み、ガードマンの配置などが必要な場合は、その分別途請求することもあります。
伐採した木の回収費用も業者により異なります。
特殊伐採に必要な”資格”
ではここから特殊伐採に必要な資格についてお話ししていきたいと思います。
ずばり、以下の資格が必要です。
- 伐木等の業務に係る特別教育
- フルハーネス型安全帯(墜落制止用器具)特別教育
- ロープ高所作業特別教育
順番に見ていきましょう。
伐木等の業務に係る特別教育
伐木(伐採)の業務を行う場合、業種にかかわらず労働者は国が定める特別教育を受講し、資格(修了証)を取得しなければなりません。(労働安全衛生法第59条及び労働安全衛生規則第36条第8号)
伐木業務のために必要な資格は「伐木等の業務に係る特別教育」の受講で、現場で安全に業務を行うための知識を学びます。
学科9時間、実技9時間を3日間に分けて講習を受けます。
参照:伐木作業等の安全対策の規制が変わります!~ 伐木作業等を行うすべての業種が対象 ~|厚生労働省
フルハーネス型安全帯(墜落制止用器具)特別教育
高所作業における墜落事故を防止するために、厚生労働省は「墜落制止用器具の安全な使用に関するガイドライン」を公表しました。
特に危険性の高い業務を行う労働者は、「フルハーネス型安全帯(墜落制止用器具)特別教育」を受けなければなりません。
受講対象者は、「高さが2メートル以上の箇所であって作業床を設けることが困難なところにおいて、墜落制止用器具のうちフルハーネス型のものを用いて行う作業に係る業務を行う者」となります。(労働安全衛生規則第36条-41より)
取得には以下のカリキュラムを受講する必要があります。
参照:「墜落制止用器具の安全な使用に関するガイドライン」|厚生労働省
ロープ高所作業特別教育
平成28年1月から施行された改正労働安全衛生規則によって「ロープ高所作業の業務」に関する教育を受けることが義務づけられました。
高所で作業を行う場合には、墜落による労働者の危険を防止するため高さ2m以上の場所では作業床の設置が義務付けられています。(労働安全衛生規則518条第1項)
しかし、作業床の設置が困難な場所などでは、ロープで労働者の身体を保持し法面作業、ビルの外装清掃などを行う、いわゆる「ロープ高所作業」を用いざるを得ない場合もあります。
近年、このロープ高所作業では、結び目がほどけるなどによる墜落死亡災害が多発しています。
ロープ高所作業による労働災害を防止するため、事業者はロープ高所作業に就かせる労働者に対し、特別教育の実施が義務付けられています。(平成28年7月1日施行 労働安全衛生法第59条第3項/労働安全衛生規則第36条第40号/安全衛生特別教育規程第23条)
講習内容は学科4時間、実技3時間です。
参照:「ロープ高所作業」での危険防止のため労働安全衛生規則を改正します|厚生労働省
結びの言葉
今回は特殊伐採の方法、需要が高まる背景、必要な資格についてお話ししました。
冒頭で特殊伐採に取り組む方が増えているというお話をしましたが、僕の周りの方でも実際に特殊伐採をしている方がいます。
その方にお話を聞くと、やりがいを非常に感じる反面、非常に危険を伴う仕事であることも教えていただきました。
確実な知識・技術の習得が必要となるこの『特殊伐採』。
もちろん誰もができることではないと思います。
ですが、日本各地で需要が高まる可能性を秘めているお仕事になるのは間違いなさそう。
特殊伐採の講習は、全国で開かれているようですので、ご興味のある方は一度お調べしていただければと思います。
取り組まれる際はどうか、ご安全に!
以上参考なれば嬉しいです!
今回も当ブログを覗いてくださり、ありがとうございましたー(*´з`)
とみー
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